
2023年3月に公益社団法人日本看護協会が公表した「2022年 病院看護実態調査」によると、2021年度の離職率は正規雇用11.6%、新卒10.3%、既卒16.8%となっており、いずれも10人に1人以上が離職していることになります。
COVID-19の影響も否めませんが、他の職種と同様に
・インターネットの普及
・転職・求人サイトの充実化
・看護師向け転職エージェントの多様化
など看護師も「転職しやすい環境」が整備されてきたことが、大きな要因のひとつと言えます。
2023年4月にユニークキャリア株式会社が実施した現役看護師500人を対象とした調査によると、前職で不満に感じていたことの上位は、次のとおりだったといいます。
1位:人手不足で自分への仕事量が多かった…191人
2位:人間関係が良くなかった(古株職員の存在など)…184人
3位:労働時間が長すぎて休む間がなかった…165人
4位:給料が低かった…164人
5位:休みをとらせてもらえない…82人
また、株式会社ベクトルが看護師200人に訊ねた「仕事を辞めたいと思った理由やきっかけ」は、
人間関係が悪い…113人
給与が低い…101人
業務量が多い…94人
残業が多い…83人
生活が不規則…74人
プレッシャー・責任感が重い…68人
理不尽な扱いを受けた…49人
勤務体制に不満がある…48人
将来性を感じない…42人
仕事と家庭の両立ができない…42人
という結果で、この2つのアンケート結果から
業務過多/人間関係/過重労働/低賃金/人手不足/難のある雇用主/将来性/ライフ・ワーク・バランス/メンタルへの影響が、多くの看護師に転職を検討させるに至っている理由だと、推察できます。
看護学校や実習先では何も問題はなかったのに…
前の職場でもこういうことは一度もなかったのに…
先輩看護師や同僚看護師、担当の患者さんにまで「仕事ができない」と言われ、傷ついていませんか?一般的に「仕事ができない看護師」には、以下の特徴が顕著に現れるとされているようです。
・時間管理ができていない
・仕事の優先順位が間違っている
・確認不足などケアレスミスが多い
・コミュニケーションがとれていない
心当たりがある方は目下、改善中と思われますが、最も怖いのが周囲から「仕事ができない」と言われ続け、無気力状態になることです。
「無気力」もまた、仕事ができない看護師の特徴として挙げられているのですが、これは本人の資質というより、職場環境がそう仕向けた可能性も否めません。
いじめ・嫌がらせのターゲットになった場合、事実ではないのに周囲から「仕事ができない」と言われ、自信喪失し本当にそうなってしまうことがあります。また、理不尽な目に遭い続けると、いつの間にか無気力・うつ状態に追い込まれがちです。
「人のせいにしない」「環境のせいにしない」といった言葉で苦しまず、自分を信じてください。転職して人間関係、職場環境をリセットすれば、仕事をテキパキとこなす本来の姿を取り戻せるはずです。
どの職業もそうですが、仕事には大きく
・設定型タスク
・発生型タスク
があります。
前者はあらかじめわかっている仕事で、後者は電話、クレーム、トラブル、故障といった突発的に生じたものなのに、早急な対応を求められるものです。後者の割合が高ければ高いほど、忙しい仕事ということになります。
看護師に当てはめると
設定型タスク…予約された外来診療や検査/入院患者の検温・清拭・服薬管理など
発生型タスク…急患/患者の症状の悪化や急変/患者や家族との感情のもつれなど
となり、急患・急変が多い
・手術室
・集中治療室
・救急科
・外科
・精神科
では特に、業務過多/過重労働/人手不足などを痛感し、転職すると後悔しそうな診療科となりえます。
看護師が稼げる診療科のポイントは、
・忙しい
・患者が多い
・夜勤がある
の3点で、結局、他人が行きたがらない診療科を選ぶことです。「自分の看護観と一致している」「とにかく稼ぎたい」看護師は選択してもいいでしょう。
前章で挙げた診療科に加え、患者が多い大きな病院で忙しい診療科や、夜勤がある病棟勤務を選ぶことで、給与額は自然増となりえます。ちなみにとある大学病院の令和4年度診療科別入院患者数の1日平均が多かったのは
・整形外科(約47人)
・小児科(約37人)
・泌尿器科(約32人)
・産科婦人科(約31人)
・循環器内科(約31人)
などで、本当に年収アップの転職が実現できるかどうか実際の求人と照合して、確認いただきたいところです。
あと、自由診療がメインの美容外科も求人が出ていれば、チェックされるといいです。
実は看護師の資格を活かせる職場は、病院だけではなく企業や福祉施設などさまざまで、職種も変えれば即管理職も夢ではありません。病院勤務がイヤになった、看護師以外の仕事がしたくなった、若くして管理職になりたい方も、次章以降を読み進めてみてください。
看護師資格が活かせる病院以外の企業・職場6選
社員の健康増進やその管理のために、オフィスや工場などに産業医を常駐させている大手・上場企業は、実は少なくありません。産業医と共に医務室にて、看護師として勤務します。求人では「産業看護師」「企業看護師」で出ていることが多いです。
また、大学、保育園、百貨店、ホテル、テーマパークなどにも医務室が設置されているケースもあります。
同じ医療分野で、看護師として得てきた薬の知識、現場の経験を活かせる
・治験コーディネーター
・臨床開発モニター
・MR(医療情報担当者)
など、さまざまな職種に転身できる可能性が高いのが、製薬会社です。
医療機器もまた、現在の医療現場では欠かせない重要なファクターであり、医療従事者に機器の概要や、操作方法を説明するクリニカルスペシャリストも、看護師の経験を活かせるはずです。
医療機関、健康分野に関連する事業の立ち上げ、運営、助言などを行う(医療)コンサルタントに転身する道もあります。
看護師として高齢者の通所者もしくは入所者のケアを行うほか、ケアマネジャー(介護支援専門員)として勤務する道も用意されています。ただし看護師として5年以上かつ900日以上の実務経験が必要で、この条件をクリアしていれば資格試験を受けられ、合格することで転身が可能です。
障害者支援施設は入居型・通所型、計画相談支援、地域定着支援、就労移行支援など提供するサービスごとにも分類でき、入居型施設に看護師として勤務するか、通所型施設のサービス管理責任者として勤務するかが選べます。
しかも後者は看護師としての3年以上の実務経験があれば、新たに資格を取得する必要もなく、看護師の免許証をもって管理職へのキャリアアップが可能です。
看護師の転職は基本、病院を変わるだけとなりますが、
・運営母体の経営方針
・診療科
・外来か病棟か
・新しい同僚
などが、自分の希望や看護観と大きく異なると転職後の明暗を分け、後悔するかもしれません。そのため事前の情報収集は不可欠であり、経営方針、職場の雰囲気、内情や人間関係も教えてくれる転職エージェントの利用もおすすめしたいところです。そのため以下の手順が理想です。
1.転職の検討に入る
2.情報収集を始める
3.信頼できそうな転職エージェントに登録
4.キャリアアドバイザーと面談
5.希望条件に合う求人紹介を受ける
6.職場見学・面接
7.内定
8.今の職場に退職を申し出て引き継ぎ
9.退職
10.新しい病院や一般企業などに転職
診療科を変える、外来から病棟に変えるなど、未経験への挑戦でも、だいたい3カ月ほどで内定が出る看護師がほとんどで、経験のある診療科外来などであれば、1、2カ月で決まる方も少なくありません。
大手転職エージェントでも「看護師」の求人はありますが、看護師の転職事情や地域の病院に明るく、ノウハウも豊富に持っているのは、特化型の転職エージェントです。もちろん病院以外の職場もココで探せます。
1社登録すればいいと思い込まれているなら、それは正しくありません。相性のいいキャリアアドバイザーと出会う、自分に合った求人の紹介を受けられる確率が、2社なら2倍、3社なら3倍に高まるからです。
ストレスのない転職活動は、担当キャリアアドバイザーとの相性にかかっています。恋愛と一緒で、信頼できるキャリアアドバイザーとの出会いは、カンタンなものではありません。
今は多くの転職エージェントが利用できる環境が整っていますので、根気強く相性のいい担当者を探してみましょう。
ちなみにですが、担当者との相性がよくないと感じたときは相談窓口などに申し出ることで、別の方にササっと変えてもらえるはずですから、いたずらに登録するエージェントを増やさずに済みます。ダメもとでお願いしてみてください。
転職された方へ就業応援金の支給あり!
しつこい営業電話がないのもおすすめ。
複数の看護師求人サイトの情報をまとめて検索、応募できるのがポイント!
北海道から沖縄まで、好条件・高待遇の求人情報が満載!
看護師の離職率は高くなってきており、看護師の転職もめずらしいことではなくなってきています。大切なのは自分らしく働ける環境に身を置くことで、看護師として、看護師の資格を活かせる道も多数、用意されています。
早ければ翌月、ほとんどの方が3カ月ほどで転職できますので、ぜひ特化型の看護師向け転職エージェントに登録して、後悔のない転職活動を始めてみてください!
【毎日更新】一言コラム
医療機関において、看護師は中心的な役割を果たしています。彼らの業務内容は、施設や状況により異なり、常に変わりゆく環境の中での対応が必要とされることが多いです。病院の中でのチームワークを円滑に進めるためにも、指導力や教育力が必要とされることも少なくありません。経験を通して磨かれる指示出しや新人の指導なども看護師の大事な業務の一部です。緊急時には、落ち着いて迅速に対応することが求められ、そのための知識や技術、そして精神力が必要となるのが看護師の仕事です。
看護師は職業としての報酬感がありますが、身体的・心の負荷もかなりのものです。時折、その魅力や醍醐味を感じられなくなり、看護師を継続するか迷うことがあるかもしれません。過密なスケジュールから離れて異なる分野でのキャリアを模索したものの、キャリアサポートとの対話を通じて、看護師としての中心的な価値を再確認し、別のクリニックや病院に移籍して業務中の報酬感を再度感じることができた、という事例もあるでしょう。
仕事の量が多いとか、不定期なスケジュールの場所での仕事は、体の負担を感じるかもしれません。家族との生活の両立が挑戦的になり、仕事の満足度を得るのが難しい状況もあるかもしれません。仕事の負担と対価や福利厚生がマッチしていないと感じる場合も、仕事への満足度は低くなるかもしれません。自身の実績を評価されていないと感じる時、意欲を保つのが難しいでしょう。職場の人々との関係にトラブルがある時、仕事の満足を得るのは難しいでしょう。その結果として、仕事への集中が散漫になり、効率的な仕事の進行が困難となる場合があります。
病院における看護師の役割は、医師やリハビリテーションスタッフとの連携を中心に、患者さんの健康をサポートすることです。そのチームには、栄養士や放射線技師、医療ソーシャルワーカーなど様々な専門家が参画し、それぞれの専門知識を活かして協力します。看護師として、患者さんのケアや治療をサポートする中で、「自分の専門性や役割をどう活かすか」を日々考え進化させます。その経験や学びを通じて、看護師としてのスキルや視野が広がることは、仕事の魅力や喜びとして多くの看護師に共感されています。
「過労や土日労働が常態化している」「従業員の離職が頻繁」などの産業・法人・職業に関して、労働と私生活の均衡や職場の人間関係が健全かどうか実情をしっかりと把握することが大切です。その情報を基に、仕事の魅力や報酬といったその他の要素を総合的に評価し、心地よい環境であるならば転職を検討するのも一つの選択です。
病室の保健師は、入院している者の24時間のフォローアップを行います。通常、シフト制で昼と夜の勤務を担当します。夜のシフトはタフな面もありますが、看護の中で最も基本的な役割で、多くの保健師がその業務に充実感を覚えます。病室の保健師の主要な業務は、医師の指示に基づき血の調査や尿の検査を実施したり、薬の注射や輸液のチェック、包帯の替え、薬の投与などを行ったりします。また、患者の身体の移動補助や、食事の手助け、入浴のサポート、衛生面のケアなども行います。患者の日常生活の補助を通じて、患者の健康状態の変化を確認することも大切な任務です。
医療業の領域はつねに労力の欠けらを感じています。特に医療センターでの基盤は費用源が診療費になります。その割り振り次第ですが、現況で安泰な医療施設はかなり減っており、事実、国内で約54%の医療関連施設が赤字運営です。それに伴い、人事にかける経費を削減しなければならなくなり、人材が不十分となります。
深夜にサービスを提供する医療センターや、連続したケアが不可欠な施設での勤務の看護士は、夜間のシフトが常態となっています。夜の時間帯には、看護のプロトコルが調整され、各スタッフの業務範囲が拡大します。更に、業務の重さも増すことが予想されます。確かに、休憩の時間は設けられているものの、場合によっては確保が難しいこともあります。頻繁な夜勤が求められるため、看護スタッフの負荷は増加傾向にあります。通常の休むべき時間に活動することは、身体的ストレスが伴うことは明白です。
「展望が不安定」とみなされるセクターやタスクについて、中長期のキャリアプランを基にスキルのブラッシュアップやキャリアの昇進の見通しを考察することが大切です。「給与が限られ、昇給の展望が低い」と評される法人や役職に関して、現状の給与や昇給の方針をもとに、未来に向けて望むライフスタイルの実現が望めるかどうかを
医院とは、健康を気にする者が訪れるスポットです。そのような場所で活動する健康師を、「医院の健康師」と称します。医院の健康師の役目は、おおむね医院の担当医の補佐となります。具体的に触れると、医師の提案により、心拍数や血圧の確認、採取、手軽な手当、来院者への日常のアドバイスなどを実施します。さらに、書類の仕事や病室との連絡、協力業務など、健康上の問題以外の業務も医院の健康師の職務となります。